パンゲア~インナーチャイルド [entertainment]
インナーチャイルド vol.11 「パンゲア」 ★★☆☆☆ 2006年3/07(火)~2006年3/13(月) 青山円形劇場
[作・演出] 小手伸也
[出演] 古澤龍児 /菊岡理紗/土屋雄/三宅法仁/穴倉靖二/小手伸也/真柄佳奈子/前田剛(BQMAP)/町田カナ(reset-N)/杉浦理史(bird'-eye view)/伊藤修子(拙者ムニエル)/吉田晋一(カムカムミニキーナ)/太田緑・ロランス(サードステージ)/狩野和馬(InnocentSphere)/中谷千絵(天然工房)/櫻井無樹(千夜二夜)/秋山ひとみ/富樫舞
~3億年前、この星の全ての陸地は一つだった…ちょうど、今の私のように~
ある島に漂着した一人の男。しかしそこは多重人格者である少女の心の中だった。島の住人(人格)達との交流の中で自分の存在理由に気付いた男は、島の中から彼女の「治療」を始める。「多重人格」に対してi.c.的なアプローチを見せた第四回作品。(初演説明より)
開演時間に間に合わなかったんです・・・どなたかご覧になった方、暗転前までの幕開き、どんな内容だったか教えていただけません?
千秋楽、すべりこみセーフで観ることができました!
すぐに記事をアップしようと思ったのですが、すぐに書いた方が良かったのか、書かなくて良かったのか・・・というのは、多分すぐに書いていたら、星はひとつだっただろうから。観てよかったとは思うのだけど。
この劇団の公演を観るのは初めて。前から気になる劇団ではありました。
プロローグ後のタイトルシーンは息をのむ美しさ。映像の使い方、スローモーションの役者の美しさ、重なり方、音楽、すべてが素晴らしい完成度で、あれだけでも観にいった価値はあるのではないかと思えたほど。
それと、舞台の使い方は面白かったですね。円形劇場の扉をあれほど効果的に美しく使った芝居を観たのは初めてです。なぜか「ナイン」を彷彿とさせた。
また作品自体も初の再演ということで、評判もよかったのだろうし、パンゲアと自己分裂を重ねるアイデアは面白いとは思う。
だけれど、どうしても違和感が残り、感情移入できず、薄っぺらな感じがしたのはなぜだろう・・・もったいない、もったいない、と考え続けていました。だって、役者さんがすごくうそ臭く感じられてしまったのだもの。最初はそれが演技の厚みというものかとも思ったのですが、観ているうちに、おそらく他の作品ではそう感じないのではないかと思われました。何かがあの空間で違っていたのでしょう。野田MAPの舞台で観た小手さんは少なくとももっとちゃんと“存在”していたし、他の役者さんも決して下手ではないと思えるのに。何が原因かわからないけれど、不思議だったし、もったいなくて、とてももどかしく感じました。
それとは別に、どんな舞台でも思うのは、これが言いたかったのでは、と思うことを台詞で語るのはやめてほしい。台詞で説明するくらいなら、舞台で流れる時間は要らない!と思うのです。
もちろん、ただ「友情は大切だよ」と言うより、いろいろ納得できる事柄があって、その上で「友情は大切だよ」と登場人物が言えばより伝わるのかもしれない。
だから、好みなのかな。そういうのは観たくない。感じさせて欲しい。言い訳しないのがかっこいいと思うから。
この作品も、そういう部分で引いてしまいました。それがなければもっと面白くなるだろうに。もっと切実に感じられたのだろうに。愛のない世界で育ち、その中でようやく見出した希望、信頼を寄せた初めての存在であろう『北条』を自分自身が死に追いやってしまった絶望と哀しみ・・・そして分裂の、ぎりぎりの命の刹那に、もう一度生きたい、治りたいと願ういじらしさと命の愛おしさと切なさ・・・その『みさき』の魂の叫びがいまひとつダイレクトに迫ってこなかった。生きることの生々しい痛みが少しでも感じられれば、もっと共感できたでしょうに。
一番納得がいかなかったのはパンタロッサという存在。答えがわかっているのなら、試行錯誤は無意味に思えてしまう。パンタロッサは調整役程度で、さまざまな人格がぶつかりあい傷つけあいながら、パンタロッサの指示で動くのではなく、傷つきながらも手探りで自分をつかみとっていくならまだ納得できました。
最初に漂着した「男」の視点で謎に直面していくから、途中で実は少女のひとつの人格に過ぎない、と言われ、少女の内面と心情的に同化を迫られてもついていけないのです。
気になって、いろいろな方の書き込みを見てみました。再演だからこそ、いろいろできると、もう一度作り直したとのこと。初演は中野ザ・ポケットだから大きさが違うのは当たり前だけれど、舞台写真を見ても雰囲気も違うし、内容的にもかなり書き直されていたよう。初演は新谷真弓さんが客演していますね。ちょっと見たかったな。北条を演じた前田さんはBQMAPのいい加減なおちゃらけキャラが好きだったのですが、今回のような役もいいですね。
心理療法の専門用語でもある「インナーチャイルド※」を冠名とする当ユニットは、その由来通り、心理学や精神病理といった心の問題を中心テーマとしつつ、毎回、神話や宗教、民俗、歴史から物理科学や超常現象(オカルト)、そしてお笑い、といった多肢に渡る様々なエッセンスを盛り込む事で、緻密な心理描写と物語性に富む、重厚なエンターテイメントの構築と表現を目指しています。(公式HPより)
かつての公演記録や写真を見ました。モチーフはどれも面白そう。
http://www.innerchild-web.com/
いろいろ考えさせられたし、不満や疑問も残りましたが、ぜひ他の作品も観てみたい、と思わせる劇団でした。
我が家のホワイト・デーのお返し。
大好きなアンリ・シャルパンティエのクッキー などなど。
青い瓶は息子くんから。ファイナルファンタジーのポーションですって。私はこのゲームやらないのに、いったいどうしろっていうんでしょう?
「ローヤルゼリー、ブロボリスエキス、エルダー、カモミール、セージ、タイム、ヒソップ、フェンネル、マジョラム、マンネンロウ、メボウキ、メリッサ」のエキスだそうですが・・・まずっいかにもポーションのお味でした・・・
こんにちは!来訪ありがとうございました☆
お芝居がお好きなのですね。丁寧なレビューで勉強になりました。
「マタルマクベス」観たいと思ってるのですがチケット買えるかしら。。。
また寄らせていただきます。 FFのポーションnice!です!
by Ren (2006-03-17 08:06)
さすがにコメントに深みがありますね。
伝えたいということは確かにわかるけど、
伝え方ですよね。脚本、演出もろもろ。
う〜ん、お勉強になりました。
私もなにか観たくなりました!
by ミルティーユ (2006-03-17 15:34)
こんにちは!
演劇、最近見てないです。
昔は、三谷幸喜や、野田マップ、第三舞台、キャラメルボックス、
あと、G2脚本の舞台などを見に行ったものです。
最近は、落語一直線。(笑)
久しぶりに、見に行ってみたいなぁ。
by ミズリン (2006-03-17 18:55)
「インナーチャイルド」の事は分からないけど、アウトチャイルドなら自信有る。
・・・にしても、櫻 さんちのホワイトデーは豪華だわー。
こんなの、ウチでは見せられんわー。
by norman (2006-03-17 19:01)
ホワイトデーのお返し、うらやましいな~
私は、もらえませんでした(涙)
アンリのクッキーの詰め合わせいいですね~☆
今度5月と6月にミュージカル観に行く予定です!
by noyuchan (2006-03-19 20:12)
> Renさま
いらしてくれてありがとうございます!
武春さんには是非、新感線に出ていただきたいです!
面白いと思うの~
> ミルティーユ さま
んまっ、なんか照れるじゃないですか・・・深みなんか・・ないです・・・・
自分のための覚え書き?でも、誰か読んでくださった人が、
そうじゃないよ、とか、こんなふうにも見れるよ、とか
違う視点を言ってくださったりして、発見があったりするので、
書き散らしてるだけなんです・・・
ミルティーユ さんの切り絵の世界はお芝居みたいにいろいろな世界が広がっ
て大好きです。
> ミズリン さま
落語は私はまだまだ初心者・・・でも、面白いですね!
ちょっとずつ、いろいろ、聞いているところです。
> NORMAN さま
豪華じゃないの!豪華そうに撮っちゃったの・・・
クッキーはちっこい缶の食べ切サイズ。もうほとんど食べちゃった・・・
FFのポーションに至っては、自分のコレクションのダブリで余ったのをめぐんでくれ
たのですじゃ・・・
>noyuchanさま
あやや、noyuchanさんはやさしいんですね~
私のようにずうずうしくアピールいたしませんと!
2ヶ月連続!何をご覧になるのかな~感想聞かせてくださいね!
by 櫻 (2006-03-20 00:11)